当社はトヨタ自動車(株)の「トヨタ地球環境憲章」を受け、「環境に関する取り組みの基本方針」を2012年7月に制定し、下記6つの柱で活動しております。全社と各事業所の環境会議を中心とした取り組み体制とし、さらには連結子会社とも連携して、環境保全活動を推進しております。
<トヨタ地球環境憲章>
<当社の環境に関する取り組みの基本方針>
1.環境法規制その他の要求事項を遵守するとともに環境リスクの低減により異常の未然防止に取組みます。
2.環境マネジメントシステムを継続的に運用して、環境保全の維持向上に努めます。
3.自然豊かな東北と世界遺産 富士山の麓でクルマづくりができる事に感謝し、地域への貢献、
自然との共生に努めます。
4.カーボンニュートラルの実現に向けてライフサイクル全体で取組みます。
・クルマの開発段階から軽量化やリサイクル性の向上に努めます。
・生産工程の省エネと革新的な技術の導入、再生可能エネルギーの利用を進めます。
5.社員一人ひとりが環境保全の意識を高め、自覚と責任を持って行動し、SDGsの達成に貢献します。
長期的なビジョンを具現化するために、5カ年毎に環境取組プランを策定して取り組んでいます。
5年後の到達目標を定め、実行計画を策定し、着実に環境負荷低減を進めております。
こうした環境取組プランは1993年に第1次を策定し、以降5年間ごとに策定、実行してきました。
2020年を最終年とした第6次プランが完了し、2021年~2025年の第7次プランを推進中です。
当社は2020年度までの中期環境取組計画=第6次環境取組プランを策定して取り組んで参りました。
本プランでは「低炭素社会」「循環型社会」「環境保全と自然共生社会」を3本柱にして活動を推進し、全項目目標達成しました。
「第6次環境取組プラン」の最終年に当たる2020年度は、全社が一丸となった取り組みの推進により、
全ての項目で目標を達成することができました。
項目 |
目標達成状況
(2020年度) |
主な活動内容 | ||
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低炭素社会の構築 | 生産 |
CO2排出量 |
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物流 |
CO2排出量 |
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循環型社会の構築 | 生産 |
廃棄物排出量 |
※1 ボディの塗装過程で発生する塗料が固形化されたもの |
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物流 |
梱包資材使用量 |
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生産 |
水使用量 |
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環境保全と自然共生社会の構築 | 生産 |
VOC※2排出量 |
※2 Volatile Organic Compounds(揮発性有機化合物) の略で、塗料やシンナー等に含まれるトルエン・ キシレンなどが代表的な物質 |
常に環境との調和と低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の実現を目指して、製品開発や技術開発に取り組んでおります。
当社が開発し生産する製品の環境負荷が将来にわたり少なくなる様に、LCA※1(ライフサイクルアセスメント)の視点に立ち、トヨタ自動車(株)と一体で開発・生産からお客様のご使用・廃棄に至るすべての段階で環境に及ぼす影響を検討し、提供させていただいております。
※1 クルマの走行段階だけでなく、生産から廃棄までの全ライフサイクルで
排出するCO2やその他の環境負荷の総量を評価し、低減する取り組み
開発・生産する製品の環境負荷を低減するために、様々な角度から技術開発に取り組んでおり、その一端を紹介します。
新型車開発における環境負荷低減の取り組みをご紹介します。
軽量化による低燃費と低コスト化に向け、クルマのフロント周りの構成部品のラジエーターサポート(以下、ラジサポ)を従来の鉄製から軽い樹脂製へ変える検討をしました。
生産技術部門と生産部門によるワーキンググループを立ち上げ、チャレンジした結果、軽量化と品質向上を両立させた、トヨタ初の樹脂製フロントエンドモジュールを実現することができました。
当社はトヨタグループの一員として、トヨタ自動車(株)が2015年10月に発表した「トヨタ環境チャレンジ2050」の
実現に向けて取り組んでおります。
2050年までの長期的な取り組みを着実に推進するために、
5カ年ごとの中期環境取り組み計画=環境取組プランを策定し、計画的に実行しております。
世界各国、各企業が積極的に推進しているCO2排出量低減を受けた、「2050年工場CO2ゼロチャレンジ」の実現に向けて重点推進しています。
定期的に開発部門、ものづくり研鑽部、工場の関係者が参集。トヨタグループ各社とも連携しながら、革新技術を計画的に導入する検討を進めています。
工場にはガソリン等の燃料をはじめ、塗料や薬品などが納入されます。こうした納入作業が、安全、確実に行われる様に、納入業者様と協力して、作業の点検や万一の漏洩を想定した訓練を実施しています。
国際標準化機構(ISO:中央事務局スイス、ジュネーブ)が定める、環境に配慮した組織、企業に与えられる国際的な環境マネジメントシステム規格「ISO14001」の認証を取得。毎年、外部監査を受審し維持、更新しています。
環境マネジメントシステムの運用状況を確認するために、
各拠点においてISOの規格に基づき、環境管理活動が運用され、特に環境法令遵守、環境異常苦情未然防止活動がされているか、内部監査員による監査を毎年実施しています。
外部機関による審査も毎年実施しており、1997年から認証を継続しています。
2017年には3つの会社(旧関東自動車工業、旧セントラル自動車、旧トヨタ自動車東北)統合後も別々に運用していた環境マネジメントシステムを一つにまとめ、統合認証を取得し、更なる環境保全活動を推進します。
審査登録機関 | 一般財団法人 日本自動車研究所 |
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登録番号 | JAER0016 |
登録範囲 | 自動車・自動車部品の設計及び製造 |
適用規格 | ISO 14001:2015/JIS Q 14001:2015 |
登録範囲の詳細 | 宮城地区 本社:宮城県黒川郡大衡村中央平1番地 【自動車製造事業の中央管理機能】 宮城地区 宮城大衡工場:宮城県黒川郡大衡村中央平1番地 【自動車の製造】 宮城地区 宮城大和工場:宮城県黒川郡大和町松坂平5丁目1番地 の1及び6丁目2,5-1,5-2,6-1,6-2 【電子制御ブレーキ,電子制御サスペンション及びアクスル等 の自動車部品の製造及び自動車用エンジンの組立】 岩手地区 岩手工場:岩手県胆沢郡金ケ崎町西根森山1番地 【自動車の製造】 東富士地区 東富士総合センター:静岡県裾野市御宿1501番地 【自動車の企画,開発,設計及び製造技術】 東富士地区 須山工場:静岡県裾野市須山2810-1 【自動車用プレス金型の製造】 |
初回登録 | 1997年12月26日 |
有効期限 | 2022年10月27日 |
低炭素社会の構築に向け、生産ラインの省エネルギー化、徹底したムダの排除や生産性向上に取り組んでおります。
生産活動に伴うCO2排出量を低減するために、設備の運転条件見直し、生産ラインの非稼働時の待機電力低減等、日常での改善活動に取り組み、2020年度目標を達成しました。
省エネルギー化につながった改善事例をご紹介します。
インパネ表皮型に黒塗装することで、ヒーターの熱吸収を向上し、加熱時間が短縮できました。
自動車用部品は、運搬や保管時の品質確保のためにプラスチック製キャップや梱包材でカバーされて納入されます。このキャップや梱包材について安易に廃棄物とせず、1点1点のリサイクル可否を検討し、資源の有効活用を図っています。
車体を洗浄するための洗浄剤は洗浄性能確保のため一定以上の液温を維持する事が必要で、貯蔵タンクの保温に多くのエネルギーを使用していました。
断熱材を貯蔵タンクに貼り付けて、保温性能を向上。
断熱材には、組立工程で不要となった部品の梱包材を活用し、廃棄物低減にもつながりました。
トヨタ環境チャレンジ2050工場CO2ゼロへの取組みは、製造工程のシンプル化、スリム化等の改善を進めた上で、どうしても必要なエネルギーは再生可能エネルギーを活用していきます。
東北を基盤にクルマづくりをしている当社では、積雪量が多い岩手工場で太陽光パネル発電の性能確認の実証実験を進めています。
当社も参画させて頂いているF※1 - グリッドでは、宮城大衡工場内の自家発電設備を活用し、工業団地内の他の企業様へエネルギー(電力・熱)の供給と、組合全体のエネルギーマネジメントに取り組んでいます。 (※1) F:Factory(工場)
工業団地を核とした総合的なエネルギーマネジメントの実現
▽工業団地内企業へのコージェネ(自家発電設備)を活用したエネルギー(電力・熱)の供給、及びエネルギーの
マネジメント・サービス(見える化・平準化)事業
令和2年度「新エネ大賞 新エネルギー財団会長賞」を受賞しました
コージェネ(7,800kW)及び太陽光発電(650kW)による電気及び熱を地域エネルギーマネジメントシステムにより制御・
最適化し、工業団地内の各企業や植物工場にエネルギーを融通する事業である。
農商工連携モデルとしても先導的な取組みであり、特に、非常時にはコージェネで発電した電力で、各需要家が最低限必要
とする電源を確保するとともに、余剰分を東北電力に売電し、東北電力の配電線から防災拠点に電力を供給する仕組みを構
築しており、他地域への普及が期待できるものとして評価いただきました。
◆新エネ対象の詳細はこちらをご覧ください
新エネルギー財団のホームページ:https://www.nef.or.jp/award/kako/r02/index.html
低炭素社会の構築に向け、設計部門では様々な視点からCO2排出量の低減を目標に、製品開発や技術開発を進めております。
燃費の向上と排出ガスの低減につながった開発事例をご紹介します。
※1 設計したものを実際に作る前に、
コンピューター上で再現し、評価する技術
その他 弊社生産適用車種:ヤリスクロス、アクア、カローラフィールダー
その他 弊社生産適用車種:ヤリスクロス
その他 弊社生産適用車種:ヤリスクロス、ヤリス
循環型社会の構築に向け、生産段階における廃棄物発生量の減量やリユース・リサイクルを通じた資源の有効利用、水使用量の低減等に取り組んでおります。
生産活動に伴う廃棄物を低減するために、従来から取り組んでいる塗装工程で発生する汚泥※1の脱水化等に加え、部品梱包材のリサイクル化に取り組みました。この結果、2019年度目標を達成しました。
※1 車体の塗装過程で発生する塗料が固形化されたもの
廃棄物低減にむけた改善事例をご紹介します。
バンパーのクリヤー塗装条件(ガン距離、塗装速度、エア圧)を最適化したことにより、バンパーに付着せず、 飛散してブースに廃棄していた塗料の低減を図りました。
自動車部品の製造過程で発生する廃液には摺動油と切削液が混在していました。そのため、従来は全て産業廃棄物として処分していました。
廃液から摺動油を分離し、取り出した油分を重油の代替として利用することができました。
自動車用部品は、運搬や保管時の品質確保のためにプラスチック製キャップや梱包材でカバーされて納入されます。このキャップや梱包材について安易に廃棄物とせず、1点1点のリサイクル可否を検討し、資源の有効活用を図っています。
循環型社会の構築に向け、開発ではLCA※1(ライフサイクルアセスメント)の視点に立ち、開発・生産からお客様のご使用・廃棄に至るすべての段階で環境に及ぼす影響を検討し、活動を推進しております。
※1 クルマの走行段階だけでなく、生産から廃棄までの全ライフサイクルで排出するCO2やその他の環境 負荷の総量を評価し、低減する取り組み
廃棄物の低減及びリサイクル性向上につながった事例をご紹介します。
HFC-134a (従来冷媒) |
HFO-1234yf (新規冷媒) |
|
GWP:地球温暖化係数 | 1430(100yr)※2 | 1(100yr)※2 |
※2 100年間で地球温暖化に影響を与える指数
その他 弊社生産適用車種:ヤリス、C-HR
その他 弊社生産適用車種:ヤリスクロス、ヤリス、JPN-TAXI、C-HR、アクア
住みよい地球と豊かな社会づくりに寄与するため、地域の特徴を活かした「自然を活用し自然と調和する工場づくり」に地域と連携し取り組んでおります。
宮城大衡工場、岩手工場の場所は、元々は自然豊かな森でした。以前の森に少しでも戻ることを願って、従業員とその家族が拾い集めたどんぐりを工場内で苗木まで育て、植樹会を毎年開催しています。
私たちは10年後、20年後、様々な種類の樹木に囲まれた自然豊かな工場づくりを目指して取り組んでいます。
<コンセプト>
自分たちの手作りでどんぐりから苗木を育てることを通じて、自然を大切にする心、思いやりや、やさしさを持つことで従業員の心の木(気)も育てる
どんぐり拾いと苗取り
苗木の育成
成長した樹木
植樹会
本社・宮城大衡工場内の植樹場所
岩手工場内の植樹場所
宮城県北部の伊豆沼・内沼周辺の環境整備活動に取り組んでいます。
伊豆沼・内沼は30種類以上の水鳥が生息し、ハクチョウやマガン、マガモなど渡り鳥の越冬地でもあることからラムサール条約※1に登録されています。
この沼の生態系を守るため毎年、現地の環境保全財団※2と協力して、活動を進めています。
※1 水鳥の生息地となっている湿地の保全・再生に関する国際条約。1971年にイランのラムサールでの国際会議で採択
※2 公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
沼を周遊する散策路整備に用いる資材の加工
切断した資材は散策路の縁になりました
過剰に繁殖したヨシの刈取り
活動参加者の皆さん
従業員による工場周辺道路・歩道の定期的な清掃と地域の皆様と連携した美化活動を積極的に実施しています。
宮城大衡工場周辺
岩手工場周辺
宮城大和工場周辺
「ふるさと守りたい清掃活動」参加者(岩手)
「裾野市パノラマロードを花でいっぱいにする会」が主催する活動へ参画
菜の花の種まき作業
菜の花畑
造園活動参加の皆さん
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